中山将の雑文と詩

シンガーソングライターです。妻と息子2人と暮らしてます。詩を書きます。絵も描きます。音楽も作ります。

小粋なショパン

岐阜県には長良川という清流がある。

とても美しい。

その美しさは、水の透明度や周りを包む森林の艶、上へ昇る鮎の煌めきや、反射する光の精線。そういうものから織り成されている。

僕らはそんな川に育まれた。

退屈といったら退屈で

穏やかといったら穏やかだった。

夏には毎年花火大会がある。

確か 7月の終わりと8月の中旬だった。

5歳くらいのときは、父や母や弟、従兄弟の一家と 家の屋上から見た。

思春期を迎えてからは恋人と見たりもした。

そうでないときは少し照れながら野郎数人と見たこともある。

岐阜の町や人々全てを覆う花火を。

長良川の河川敷から打ち上げる、その付近には岐阜にもこんなに人がいたのかと驚くほど人が集まる。

狭いコミュニティーであるため、知っている人に必ず会う。それが当たり前だった。

堤防沿いには赤をベースにした色を帯びた沢山の出店が並ぶ。

醤油の焦げた臭いや、矢鱈と甘い臭いが周囲を包み、少し恥ずかしそうに少女が浴衣を淑やかに揺らしている。

遠くに見える花火師がそわそわと動き出して間もなく、時間と重力に散っていく花が咲き始める。

一つまた一つと咲いては消える。

その儚さに、人々は感動し。

その感動が永久ならばと願ったりする。

家族団らんで見たときも、恋人と見たときも、友人と見たときも どれもとても幸せだった。

周りの人々もみんな幸せそうに空を見ていた。

悲しいことや残酷なことなんてこの世にあるものかと 思ったし、信じたりもした。

どうでも良いや。と阿呆のようになった。

これが幸せなのかと疑って止まなかった。

花火を上げて それを見上げる。

ただそれだけの行為のなかに大切なことが在るように思えた。

二十歳くらいの時に、そんな思いから「花火師の恋」という物語と歌を作った。

正直な気持ちが在る曲だから今でも唄っていて違和感無く体に響く。

今年も平等に花火は上がると思うけれど、ちゃんと見上げて微笑みたい。

そうしてまた新しい音楽を作りたいです。

サマーソニックのオーディション セカンドセクション進出が決定しました!本当にありがとうございました

僕はサマーソニックに出たいという気持ちよりも 色んな人に楽曲を聞いてほしいという心境です

今回エントリーしている 花火師の恋 だってまたそうです。

頭に浮かんでる 色んな世界があるから それを丁寧におこして 皆さんに表現できて、欲を言えば誉めてもらいたいです。

ゆっくり それをやるのみ!

よろしくどうぞ!

ショパンを聴いている 略して ショパる

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